インペリウスとティラエルの関係

Diablo3のTVスポットがついに公開されましたね。
ちまたでは第二弾TVスポットも流れているようでワクワクします。






早くもネタバレかと思うようなシーンもあります。
いやぁ、インペリウスさん大暴れしてます。ティラエルとつかみ合いです。

インペリウスさん登場ということで
もう一度、インペリウスティラエルの関係性をはっきりさせるために
色々調べていたのですが、先に記事にしていたストーリーにもありましたように
サンクチュアリの存続を決める評議会が重要なポイントだと思いました。


軽くは書いていたのですが、2人の関係性については不明瞭でしたので
ここで「罪悪戦争」での天使評議会の様子を翻訳することにしました。
かなり長いですので、ご注意ください。



※「罪悪戦争」を読まれてない方は先に、こちらをお読みください。
 

 
ついにサンクチュアリに天界と地獄が参入し、
サンクチュアリの未来は失われたかと思われたが、
人間であるウルディシアンの自己犠牲により
なんとか天界と地獄を、サンクチュアリからは追い出すことができた。
天界の天使評議会では、サンクチュアリの今後について評議員たちが話し合うことになった。




「討論を続ける必要はない…論ずる必要すらな。
 方針は明らかだ…裏切り者によって起こされたことは、無かったことにしなければならない!
 天界軍に起こったことを終わらせる。たとえ百列に並んだ悪魔どもを切り捨てる必要があってもな!」



インペリウスは断言しました。



      imperi.jpg
       インペリウス(Imperius)
       性別は男性 武勇の大天使(Archangel of Valor)
       高貴な赤いローブと光り輝く鎧をまとう
       天界軍の指揮官で、評議会のリーダー



「裏切り者の処遇は、いま話すことではないわ。インペリウス。
  それはその時に話しましょう。」



アウリエルが言います。



         auri.jpg
          アウリエル(Auriel)
          性別は女性 希望の大天使(Archangel of Hope)
          柔らかな青いローブに身を包む
          愛と共感の感情を体現する天使で、激励と聡明さによって天使評議会をまとめる



「いま起きている問題は『1つ』であり『同一』のことだ」




インペリウスは言い返しました。
篭手を付けた拳をアウリエルとの間に突き出すと
突然、イナリウスの足に黒いエネルギーが巻き付きました
インペリウスによって、イナリウスは天使評議会の中央でひざまずかされたのです。



       inariuss_20120508034858.jpg
       イナリウス(Inarius)
       サンクチュアリと人間を産みだした張本人
       兄は大天使ティラエル



「この裏切り者の犯罪行為によってサンクチュアリと呼ばれる忌むべきモノが生まれた!
   サンクチュアリに判断を下せ。当然どちらも裁くことになるがな、アウリエル!」




アウリエルは言い争うことをやめました。
彼女は他の4人の評議員、一人一人の顔を見て言いました。



「あなたたちは必要以上の証拠を見たでしょう。
 最初に罪を犯した者たちの子供は親と一緒ではなかった…
 そして私達が忌むべきモノと信じたものはそうではなかった…」




      silver.jpg
      銀の国




セレンシアがラズマに囁きかけました。

「私達どこにいるの?」

ラズマは彼女に静かにするようにとジェスチャーし答えました

「私たちはガラスの国にいる。そして、話には聞いたことあったが
 これは伝説の銀の国で行なわれるという、天使評議会の会合に違いない!
 この評決が悪い方にいくかもしれないのが怖いよ。」


メルデルンはショックを受けました。

「ウルディシアンがあそこまでしたのに、まだ疑ってるっていうのか?」

彼は自分が何をしてるか気づく前に、天使たちへ歩き出していました。



「あんたたちになんの権限があるってんだ?勇敢な行為とはなんだ?
  俺たちは殺される害虫じゃないんだ!」





インペリウスはメルデルンをじっと見つめました。



「貴様は天使ではない。評議会に立つ権限もない。」



メルデルンは見えない力によって後ろへ突き飛ばされました。
後ろに吹き飛ばされて他の者と衝突しそうでしたが
アウリエルが彼を一目見ると、彼はゆっくりと地面へ着地することができたのです。



「そんな横暴なことが今は正しいことなのですか?」



アウリエルはインペリウスに問いかけました。



「彼らは私の催促によってここにいます。彼らの仲間のおかげで
   サンクチュアリの運命がどうなるかを聞く権利を得たのです。」




インペリウスは答えなかったが、もし顔を持っていたら紅潮したことだろうとメルデルンは思いました。
次に、ラズマが評議会の前に立ち、こう言いました。



「人間にチャンスをあたえるべきです。チャンスをくれるなら人間はすばらしいことができます。
    人間を生かしてください!人間はこの世界のバランスに不可欠な存在へとなる可能性を持っているのです。」




ラズマを完全に無視しながらインペリウスは低く響く声で言いました。



「私は投票の時間だと言ったのだ」




「彼に言わせてあげなさい」



イスエラエルが間に入りました。




      mal.jpg
       イスエラエル(Itherael)
       性別は不明 命運の大天使(Archangel of Fate)
       灰色のローブに身を包む
       命運をつかさどる彼をもってしても人間の行く末は分かり得なかった



「二回目だぞ!」




インペリウスは大声で怒鳴りました。




「裏切り者は永久に監禁されなければならんし、悪魔の血をひいたガキどもの巣窟も根絶せねばならん!」




インペリウスは拳を突き出し、振り下ろしました。

メルデルンは再び口を開きましたが無駄でした。
天使たちは全く気づいてなかったのです。

アウリエルはすぐにインペリウスの投票に反応しました。




「人間の潜在能力を成長させましょう…私たちと地獄との闘争にようやく決着がつくことを
            見ることができるチャンスが人間の中にあるように思うのです。」

「あなたはどう思いますかマルサエル。私の意見に同調してくれますか?」





マルサエルは言いました。



「どちらを選んだとしても究極的には、私には関係ないことだ…棄権する」




      Malthael.jpg
       マルサエル(Malthael)
       性別は男性 賢明の大天使(Archangel of of Wisdom)
       黒い鎧と黒いローブを身にまとう天界一の知識人
       世界の真理と本質のことを常に考え、全ての生物を愛す天使であったが
       ワールドストーンが盗まれたことにより心の平穏が乱れ、ふさぎこみがちになり痩せ細った



アウリエルは明らかにがっかりして上体を後ろにそらしました。
一方、インペリウスは満足気でした。



「イスエラエル、お前はどう思う?」




インペリウスが言いました。



イスエラエルは熟考しているようで間がありました。



「人間は天使の血も悪魔の血もひいている。本質的に汚点も見込みも持ち合わせているということだ…
           このまま成長させたら、地獄の悪魔よりも極悪なモノになるやもしれん。」




「だから破壊せねばならんのだ!」



インペリウスは主張しました。

イスエラエルは指を一本上げて言いました



「しかし人間は光に仕える大いなる可能性も持っている…
 我々の役割を超えるような可能性だ…だから私は人間にチャンスを与えることにするよ。」




メルデルンは希望を持ちました。



「天使たちは引き分けの状態だ。
 たとえティラエルがサンクチュアリの破壊に一票入れたとしても、サンクチュアリは生き残る。」





4人の天使たちは最後の1人に目を向けました。

堅固な考えがあるかのように、ティラエルは縛られたイナリウスを見続けていました。



「さて、旧友よ。どちらを選ぶ?
 お前は人間どもの最も汚らわしい部分を見たよな?
 破壊へ一票を入れて、最も憎むべきモノを生み出す土地に終止符を打ってくれるよな?」




インペリウスがティラエルに問いかけました。



      tyrael_20120511222850.jpg
       ティラエル(Tyrael)
       性別は男性 正義の大天使(Archangel of Justice)
       黄金のローブと鎧を身にまとう
       イナリウスは実の弟



「なんだって!どういうことだ!投票は同数だろ!」



メルデルンは思わず口走ってしまいました。
ラズマは残念そうな表情で言いました。


「同数投票だと、私たちの望む決定は無いみたいだな、つまり私たちを生かす理由はないってことだ」



メルデルンは我慢できませんでした。
もう一度、前へ歩み出て言いました。



「どうして俺たちをそんな気楽に罵倒できるんだ?
 あんたたちは光に味方するように言ったくせに、価値がないと思ったら無情に殺すのか! 
 俺の兄はあんたたち全員を殺すことだってできたんだ。けど、しなかった。
 兄は故郷と人々を守りたかっただけなんだ。自分の命を犠牲にしてでもね。」




インペリウスは不快な者を視界から排除しようと、再び準備しました。

が、ティラエルが口を開いたのです。
ティラエルは全員の注目をひきつける口調で言いました。



「この戦争は太古の昔からおこっている
 そしてこの戦争に疲れていない者など一人もいない…けれども我々は戦わなければならない」




イナリウスを指さしてティラエルは続けました



「この裏切り者は、他のものを連れ出し、あるべきでは無かったものを作った。
 決してあるべきでなかったものをな!こいつは考えられないことを引き起こした。
 私がそこにいたならば全力を尽くして阻止したものを…」




人間の命運は尽きた。メルデルンはそう思いました。



「しかし、それは育ち…成長した…誰も測れなかったほどに、誰も予想できなかったほどに!
 サンクチュアリと呼ぶこの地は、私自身が『忌まわしい物』と呼び
 我々が未だかつて見たことがない者を生むほどまでに成長していた。」





インペリウスが何か言おうとする前にティラエルは続けました。



「しかし『忌まわしい物』は苦労を感じないし、互いに善悪に分かれて闘うこともない
 そして…そいつらは…そいつらは自分たちの自由意志によって…選ぶ…
 そう…他人のためにあんな素晴らしい自己犠牲を選び決行することはない…」




メルデルンは仲間たちの間に、普段は厳しいラズマの中でさえも、希望が湧いてくるのを感じ取りました。



「俺たちも犠牲を払った。奴と何が違う?」



インペリウスが応戦しました。



「我々は犠牲を払った。なぜならそうしなければならなかったから…
 なぜなら義務を果たさなければならないと思ったからだ!
 我々は義務だからそうしただけで、他の何者でもない!
 人間は、ウルディシアンは…彼は献身的に自分を差し出した。
 なぜなら彼は仲間を大事に思ったからだ!
 それは、彼の『義務』ではなく…『願い』だったのだ。」




ティラエルは他の評議員をひとりひとり見て、最後にインペリウスを見ました。

 

「『忌まわしい物』と呼んだが…間違っていた!
 私は人間に一票を投じる…人間がどうなるか見届けたい…驚きを持って見届けたいのだ」





「じゃあこれで決まったな」



インペリウスは、天使に不似合いな軽い嫌味っぽさで言い放ちました。



「だが、地獄が害毒を貴様らが救った世界に撒き散らすことから、どうやって守るつもりだ?
 俺たちが軍隊を持たなきゃならんのか?このために…このサンクチュアリを守るために?」





インペリウスがこう尋ねると同時に、野太いぞっとするような笑い声がそこら中に響き渡りました。

インペリウスは炎に包まれた剣を召喚し臨戦態勢を取りました。



「これは平和的来訪だよ、評議員さんたち。平和的…あなたたちがそうするならの話だが」



怒り狂った蛇の群れのようなしゃがれ声が響きました。
メルデルンが今まで見たことのないような闇が横切り、それはリリスを思い出させるような感覚でした。



「交渉しにきたのかしら…メフィスト?
      メフィスト…弟でなくあなたが?」




アウリエルが闇に問いかけました。
闇が集まると大きいモノへと変化し、メルデルンは背筋の凍るような気分がしました。



「私のかわいい弟達は逆上しているよ。
 だから私が、長兄である私がわざわざ交渉しにきたんだよ…他にもあるがね。
 私は休戦を申し出ることにするよ。
 協定はコイツを我々に渡すことで、現在の状況を解決するというものだ」




緑色の気味の悪い手が、イナリウスをつかむために現れました。
イナリウスは激怒し抵抗しました。


インペリウスはこの状況をアウリエルから奪い取り、言いました。



「その協定はなにを約束するものだ?」



メフィストは答えます



「我々は君たちと同じように、この地に間違った仮定をしていたようだ
 仮定、私たち両方の種族の血から生まれた生き物についてね。」




燃え盛る赤い瞳が具現化し、メフィストを完全に無視していたアウリエルへと瞳が向けられました。



「サンクチュアリは想像していたよりも上を行っていた!
 あんたが言ったことは正しいし、我々は人間を成長させて、どっちにつくかを見ることにするよ。
 どちら側も干渉せずに、善か邪悪か、どちらにつくかを。」




「俺たちはお前の言葉を信じるべきだな」


インペリウスが馬鹿にしたような口調で言いました。



「サンクチュアリは私に子供たちを失わせた。どちらもサンクチュアリを生かすことを模索していたんだよ。
 私は子供たちのためにも、サンクチュアリが育ち成長することを見守ることにするよ。」




動揺させる魔王の回答は、メルデルンにとって少なくともメフィストを信用させるものでありました。
確かに、ルシオンとリリスはサンクチュアリと人間を守ろうとしたからです。地獄に仕えさせるためにですが。


しかし悪魔を信じたけれども、メルデルンの不安はほんの少し残っていました。
それはメフィストの強大な力の影響を意味していました。





というふうな具合です。


このあと評議会はイナリウスの身柄をメフィストに引き渡し、
次に人間の記憶について議論を移しました。

アウリエルは「ウルディシアンの自己犠牲を人間は覚えておくべきだ」と主張しますが
インペリウスが反対し、メフィストが「人間には最初からやらせることだ」と主張しました。
イスエラエルもティラエルもメフィストに同意し、人間の記憶を消すということに続きます。


超攻撃的人格で地獄に関わったものは全て抹殺するインペリウス。
サンクチュアリ進撃時には一番槍となり、幾多の悪魔を殺してきた、天界にはかかせない存在です。

一方、ティラエルは、この投票によりサンクチュアリはもとより自分自身をも変えたことになります。
人間への耐えることのない慈悲深さを持つようになり、人間の先天的な潜在能力に感動したのです。
その後、ティラエルは人間が地獄界へ味方しないように何度も干渉するようになり
愛する種族を守るために、天使評議会の命令に背く行動までするようになりました。


皮肉なことに、かつて人間を無情に操り、絶滅させようとしたティラエルが
2000年後には、人間にとって最も偉大で献身的な味方となったのです。

この「人間を無情に操った」とは、実はティラエルは酷いことをしたことがあったのです。
ウルディシアンの親友のアチリオスの魂を抜き取って操り、ウルディシアンを殺そうとしました。
殺す寸前でアチリオスは自らの身体を取り戻して、事なきを得るのですが
ティラエルは自分の術が破られたことで、人間の可能性について再考する必要があると感じたみたいです。
(この時に、トランオウルとラズマとメルデルンはアチリオスの魂の居所を探したのですが
見つけることができず、地獄方面にも見当たらなかったことから、第三者が関与している
つまり、天界がサンクチュアリを見つけたのだと間接的に気づかせることになりました。)

その後、ホラドリムをつくったり、ソウルストーンを作ってあげて使い方を教えたり
なんとか人間を救いたいと動いてくれる姿は涙を誘います。
(その行動の是非を論ずる必要がありますが…)

結果的にサンクチュアリは救われたとは言え、評議会は後のことは関わらない状態ですので
ティラエルの単独行動が天使評議会の怒りをかっても不思議ではありません。
ワールドストーンも破壊してますしね。


他の評議会メンバーも、「なすがままにさせるだけ」と釘打って投票したのに、そういうことが起きると
「人間が悪につこうが善につこうが関係なし、悪魔の血が入った奴は皆殺しだ」の超レイシストのインペリウスが
憎き人間を過保護して、やりたい放題やったティラエルにつかみかかってもしょうがないかもしれないです。


ちまたでは、ティラエルが洗脳されたという噂がたっていますが
私はティラエルは正常だと思います。
なぜなら、その「正常」なティラエルを「異常」だと思い
ティラエルにつかみかかる理由がインペリウスにはあると思うからです。


最後にひとつ

インペリウスは「Old Friend」(古き友)とティラエルに言っていますね。
これは良い方にとることが普通ですが…
「Old Friend」よりもっと上の関係の「Brother」(兄弟)が
ティラエルにはいるんですよ。


弟のイナリウスです。


弟が大罪を犯し逆賊となって今、目の前に繋がれている。
そんな弟を黙ってじっと見つめていたティラエルは、その状況をどう思ったのでしょうか。

かつてイナリウスは、兄であるティラエルに戦争は無意味だと説得しようとしたことがありました。
その馬鹿げた提案をティラエルが真面目に聞いたかどうかは定かではありませんが
自らを説得できず無謀な行動をおこした弟を前に
「あの時、もう少しこういうふうにしていればよかった」と思っていたのかもしれません。

そして、起こったことは変えられない以上
弟と、その子孫である人間、そしてサンクチュアリをかばうような気持ちが
ティラエルには少しはあったのかもしれませんね。




翻訳ソース元
Richard A. Knaak著 「Sin War : The Veiled Prophet」
http://www.wattpad.com/182896-the-sin-war-the-veiled-prophet
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